書籍・雑誌

池上 彰 『そうだったのか! 現代史』

「日々のニュースや、私たちが生きている現代のさまざまな出来事を理解するためには、その少し前の歴史を知る必要があるのです」(「はじめに」より)。

本書は NHK「週刊こどもニュース」キャスターの池上彰が、大学生、新社会人に向けて第二次世界大戦後の歴史をやさしく解説した「現代史の入門書」だ。
ただし入門書とあなどることなかれ。「中国と台湾はなぜ対立する?」「イスラエルが生まれ、戦争が始まった」「『ひとつのヨーロッパ』への夢」など、今日のニュースの背景を解く全18章は、「今さら人に聞けない」社会人にとっても救いの連続である。
大戦後に生じた数々の争いを陰で操る大国、核戦争の縁に立った人類の危機…。
現代史ゆえに、当時の軍事作戦が詳細かつ正確に記述されていたり、当事者の語った言葉そのものが書かれている点も興味深い。


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島田荘司 『写楽 閉じた国の幻』

わずか十ヶ月間の活躍、突然の消息不明。
写楽を知る同時代の絵師、板元の不可解な沈黙。錯綜する諸説、
乱立する矛盾。歴史の点と線をつなぎ浮上する謎の言葉「命須照」、
見過ごされてきた「日記」、辿りついた古びた墓石。
史実と虚構のモザイクが完成する時、美術史上最大の迷宮事件の「真犯人」が姿を現す。


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司馬遼太郎 『風神の門』 (上下・全2巻)(新潮文庫)

関ヶ原の合戦によって豊臣家が大坂城にとじこめられてしまった時期、伊賀の忍者の頭領、霧隠才蔵は人ちがいで何者かに襲われたことから、豊臣・徳川の争いに次第にまき込まれてゆく。
生来、いかなる集団にも属することを嫌った才蔵であったが、軍師真田幸村の将器に惹かれ、豊臣家のために奮迅の働きをし、ついには徳川家康の首をねらうにいたる。
大坂冬の陣に西上してくる徳川家康の首をねらうため、霧隠才蔵らは駿府城下に潜入し、徳川の忍者、風魔獅子王院たちと血闘をくりひろげる。
そして、駿府城内にしのび込んだ才蔵は、家康の寝所の天井裏に立つのだが……。

人間性を抹殺された忍者たちの中で、いかなる組織にも属さず、ただひとり人間らしく生きようとした才蔵の悲哀を通して、”忍び”の世界を現代の眼で捉えた長編小説。

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